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きつねこぱん

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2021年 05月 30日

仙台、八重洲書房に関するあれこれ

先日、本当に久しぶり(2年ぶり?)にパン工房青い虹さんへ行き、これは書き残しておかなくては!という話を聞いたのでブログに残しておきたいと思います。
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先日、「bookcafe火星の庭」さんが出した『仙台本屋時間』を購入しSNSに投稿した時に、仙台の伝説の本屋「八重洲書房」のことをちらっと書きました。
どんな方が経営されていたのか。閉店後はその方はどうされているのか。きっとただ物ではないと思うので何か新しい事業でも始めたのかどうか...
それを見て「おひさまや」さんの店主鴫原さんがメッセージを寄せてくれました。
昔お母さまが八重洲ショッピングセンターで商いをされていて、小学生の時から学校が早く終わる土曜日はランドセル背負ってバスに乗って母のお店に行っていたとのこと…丸光デパートが遊び場であの中や外で果物を売っているお店の子供や地下の飲み屋の子供たちと走り回って遊んでいた頃が思い出され、楽しかったあの時代の映像が蘇りました。と...
そこに八重洲書房さんもあり、学生運動が社会の中でエネルギーあふれる時代、青い虹の純ちゃんはお仲間だったからきっとその後をご存知ですよ!とのこと!!
そこで今回行ったときに聞いてみると、純子さんは八重洲書房を経営されていたご夫婦(特に奥様)と親友でなんと共同保育所を立ち上げたのもその方のお子さんと自分の子供の二人からだったとのこと。そして書店で働いてもいたとのことでびっくり!!!
その頃の話をいろいろと伺うことができました。
文学少女がそのまま大人になったような奥様の知識とレファレンス力、発掘力は凄かったそうで、「菜の花村」店主の寿美枝さんも店員さんが、自分が探している本を一発で出してくれたことに感激したと話していました。
以下のブログでも「そこへ行けば必ず提案があり、すなわち発見があった。読むべき本を若い私に教えてくれた。」と絶賛しています。

閉店に至る話で、私は先駆的な選書や提案型の店舗経営が時代に早すぎたのかな~と思って聞いたのですが、純子さん曰く、「いや早すぎたのではなく時代に合っていた、あの時代だから必要とされる品揃えだった」と...
映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』を観ましたが、本当に昔の若者は競って難しい本を読んで、その量も凄い。理解できなくても見栄でもまずは読む。そうして言葉を獲得していったのではないかと思わされました。
八重洲書房は地方の書店では珍しく岩波の書籍を豊富に置いていたそうで、これが資金繰りの困難さを引き起こし、廃業に追い込まれた一因でもあったとのこと...と言うのも通常の出版社の本は取次店を通して売れなかった分は返本できるが、岩波の書籍はすべて買切りで売れなかった分は在庫となってしまうので地方ではほとんど取り揃えておかない書店が多いのだとか。
いくら良い本を取り揃えていても返せない本を持つことは書店にとっては致命的。そんな事情があるとは全然知りませんでした。
...八重洲書房復活を切望する声はいまだにネット上に流れています。

もう一つ、小池真理子さんの小説『無伴奏』は作中に仙台の街や八重洲書房ではないかと思われる書店が出てくるのだそうで、2016年に映画化されたそうです。
なんと純子さんは学生時代に実際にあったそのバロック喫茶「無伴奏」でもバイトをしていて、その繋がりで八重洲書房やお店の当時の写真がないかと連絡が来たそう...
バイト仲間でもなかなか写真を持っている人はいなかったそうですが、映画では見事に再現されているとか。
「無伴奏」の店主はその後、川崎町でチェンバロ職人として活躍されているそうです。

火星の庭の前野さんはTwitterで「ほんと八重洲書房は特別でした。閉店から30年くらい経ってもまだショックが続いているのではと思うくらい、語り継がれる名店ですね。」とコメントをくれました。

書店に行くといかに自分が知らないことだらけかを思い知らされ、クラクラします。
でも本を読めば自分の許容量をはるかに超える知識を脳がビリビリと痺れながらも受け止め、それが後に何かと何かが組み合わさった時に自分の中から言葉として出てくる。
何だかわからないもやもやとした気持ちや考えを表現できる言葉の力を蓄える唯一の方法が読書なのかな~などと思ったりします。
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青い虹さんの素敵な本棚(写真ボケボケですみません)
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私も子供のころ何度も何度も読んだ本『いやいやえん』もありました(^^)
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紅茶とケーキのセットをいただき、すっかり長居してしまいました。
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店を出ると看板ねこちゃんがお見送りしてくれましたよ。


by kitsunekopan | 2021-05-30 08:27 | 備忘録 | Comments(0)


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